天ちゃんはまるで子度を優しく叱るかのような口調で話す。



「分かった。廊下出ていい?」



誰が聞いてるかわからない教室より断然こっちの方がいい。伸び伸びと話せる。



「で、何があった?」



私の相談に乗る時、天ちゃんはいっつも聞き方が優しい。
こういう所を見せるからモテるんだよ。



「実はさ────」



私は親睦会の班決めから、昨日の帰り道の事までをこと細かく話した。
途中、大きい声になりかけたけど、なんとか抑える。



「鳥羽かぁ…」
「うん、鳥羽くんっ。鳥羽くんさ、学年の王子様よね」



私の王子様発言に声を出して笑う天ちゃん。



「王子様ねぇ。女子にキャーキャー言われてるな」
「そーなんよ。ゆっちゃんはさ、部活で関わりあるじゃんか。だからさ、」
「女子は天城と話してても何も反応無いと」



流石天ちゃん。察しがいいよ。



「そう。だけど、私なんかゆっちゃんの付属品やからさ…。女子の目線が普通に怖い」




なんか…ようやく素直に吐き出せた気がする。今まで結構気、張ってたから。

気持ち、楽になった。



「付属品って。こずは自分を下に考えすぎ」
「いや…だってそうなるでしょ」
「そこらの女子より可愛いんやから堂々としたら?」
「…っ」



天ちゃんの言葉に硬直する私。