サッカーの話になった途端、目がキラキラ輝き始めた。なんか、犬みたい。


「観戦は?」
「するよ。日本代表見に行ったよ」
「行ったん!?いいなぁー。俺、行けてないんだよー」



自慢したみたいになったかな。
まぁでも、見てる感じそんな風に思ってなさそうだから大丈夫かな。



「サッカー見るの好き?」
「まぁ、嫌いじゃないかな」



兄のお陰でルールとかは完璧だし。
なんだかんだで影響受けてるからな。



「じゃあ、今度の試合見においでよ」
「鳥羽くん達の?」
「うん、そうっ。用事無かったら来て欲しい」



今までゆっちゃんに誘われてたけど、色々用事つけて行かなかったんだっけ…。
失礼なことをしてたな、私。

まぁ、見てみたいっていう興味はあるかな。


「私が行っていいのなら」



返事をしたところで私が降りる駅の名前が呼ばれた。



「楽しみにしてる。あと、今日一つだけ月岡さんの事知れた」
「え?」
「月岡さんがサッカー好きな事。今日はありがとう。また明日」



ニコッと笑い、バイバイと言いながら手を振る鳥羽くんに私も手を振る。



「…………」



あんな事をスラって言えるのすごいな。
だから、クラスの女の子にモテるんだ。

今日で鳥羽くんの生態が何となく掴めた気がする。


あと、少しだけ距離が縮まった気がする。