「天城知ってた?月岡さんの彼氏」
「知らないし、それ以前の居ないでしょ」
なんか今のグサってきたな。
うん。居ないんだけどさ…もう少し言葉を選んで欲しい。ゆっちゃんの悪い所だ。
「だって梢、私に居ないって言ってたし」
「えー言ってないだけかもよ?」
「梢、私には何でも言ってくれるよ?」
あれれ?
これは信用してるされてるの関係でいいのかな?
確かにゆっちゃんには全部言ってる。ただ、一つを除いては。
「あの、2人とも…」
私の横でギャーギャー騒いでる2人に、1度止めるように間に入る。
「あっ。梢っ」
「何?」
「梢、お兄ちゃん居たよね」
「うん、いる」
私の隣では鳥羽くんが興味津々に見てくる。
「昨日出かけた人ってお兄さんじゃないの?てか、鳥羽はちゃんとその2人を見たの?」
「見てない。聞こえてきたの。月岡さんお兄さん居たの?」
なんか、今の三拍子のリズムだった。
「居るよ。昨日、兄と買い物に出かけてて」
「そうだったのか。勘違いしてごめん」


