「どうかした?」


さっきまで勢いがあったのに、冷めたように冷静になっている。



「ううん。大丈夫。あ、天城聞いてー」



ゆっちゃんを見つけて手をブンブンと振る姿を見て、尻尾付いてそうと思う反面、嫌な予感がするなって思った。



「何?」



珍しい2人でいることを不思議に思ったのか、一瞬ムッとした表情をしたが、すぐに元に戻った。



「月岡さんってー年上の彼氏がいるんだって」
「は?」



…嫌な予感的中。
鳥羽くんにとっては普通なんだろうけど、透き通る声は廊下に響き渡る。

穴があったら入りたい。逃げたい。



「昨日、遊びに行ってたんだって」



あぁ…鳥羽くんの声は凶器だ。



「ちょっと鳥羽。声がデカイ」



私だけじゃなくてゆっちゃんまで赤くなる。

赤くなる理由は一緒に居たくないとかそんな理由っぽいけど。



「あ、ごめん。月岡さん、天城」
「いや…うん」



ここまできたらもう、なんか手遅れだけど。