彼と初めて話したのはいつだったかな
私からはなしかけたんだっけ
彼がこえをかけてくれたんだっけ
その辺は忘れてしまった。だけど、クールな彼と少しだけ会話をするようになったきっかけはとてもよく覚えてる。
高校2年の夏だ。
春にクラス替えをして夏までほとんど話したことがないと言うのもおかしな話だが、彼が女子と話しているところはあまり見たことがなかったし私だけではないはずである。
夏といえば高校野球だ。
私の高校は全校生徒で野球部の試合の応援をすることになっていた。炎天下の中スタンドで応援するのだ。
当時の私はまだ自分が紫外線アレルギーであると気がついてなくて、日光に当たるとちょっとダメだなという程度にしか思っていなかった。
野球応援で彼は日光が苦手な私の隣に座っていた。
〜〜〜〜
「…暑い…暑すぎる。」
野球の試合はまだ3回表
あまりの暑さに独り言か溢れた
昔から夏に肌を露出すると肌が赤く腫れたり、湿疹ができたりするためどんなに暑くても長袖を着なければならなかった。
長袖長ズボンで汗だくな私の隣で、全く暑さを感じさせない涼しそうな顔をした蓮水くんが羨ましくて、ついジッと彼を見てしまった。