春の暖かな日差しに照らされて目が覚めた。
大学2年に上がる年の春休み、四月。始まりは一通の電話だった。
それは春休みだと油断して寝過ごした冴えない頭では処理できないものだった。


蓮水 秋から着信がありました


「……え?だれ?」

蓮水 秋…って、想像している人物で合っているならば高校の同級生だ。

「秋君か」

呟いた瞬間、一気に心臓がドキドキとなって血圧も体温も脈拍も急上昇するのを感じた。

いや、まて。秋君かじゃない。何でどうして急に電話?高校の時だって特別に仲良くしていたわけではない。どちらかというと秋君は女子と仲良く話すタイプではなく、クールでカッコよくて話しかけるのを躊躇ってしまうような人だった。

「…なんだろう、かけ直した方がいいのかな」

着信のあった時間を確認すると午前1時14分
深夜だ。そんな時間じゃ寝ちゃってたよ。


電話をしたい気持ち半分

不安な気持ち半分

だって秋君は
高校の時の私の


1番、恋に近かった人