あれから、さらに4年の月日が流れた。
「今崎君〜、これどこ置く?」
今崎「なッ、そんな重い物は持つな!」
「ご、ごめん、、、。」
今崎「もう座っとけ。
残りは少ないし、あとは俺がするから
。」
「う、うん。ありがと。」
半ば呆れながらも心配そうな顔で言う彼。
(そんなに心配しなくてもいいのに〜、、、。
ま、嬉しいんだけど。)
私達は1年程前に結婚した。
もちろん、プロポーズは彼から。
その頃から、2人で生活していく事は考えていたのため、今は引っ越しの真っ最中だ。
そして、今、私のお腹には赤ちゃんがいる。
6ヶ月くらい、かな?
安定期に入り、お腹も始めと比べて随分と大きくなっている。
そんな自分のお腹を撫でて、
(生きてるんだな〜)
と、命の重みを感じる。
今崎「終わったぞ〜」
残りの荷解きを終えた彼が私の所に向かって歩いて来る。
「ありがとう、今崎君。
お疲れ様〜」
今崎「、、、また忘れてる。」
「え、、、?
あ‼︎
、、、冬哉。」
今崎「そう。
俺ら結婚して1年だぜ、千奈美。
そろそろ慣れてくれよ。」
「うん、ごめん。」
今崎「謝んなくていいから、早く慣れて。」
「はい。」
結婚後からは、私の苗字が“今崎”になったため、名前で呼び合う事になったが、私は未だによく忘れて「今崎君」と呼んでしまう。
(早く慣れないとっ!)
冬哉「名前、、、。」
「え?」
私が聞き返すのと同時に、彼の手が私のお腹まで伸びてきた。
冬哉「この子の名前、どうしようか。」
(この子の、名前、、、。)
ずっと考えていた。
この子を呼ぶための、この子の名前を。
ふと、頭に浮かんだ。
「、、、アイ、キ」
冬哉「ん?」
「“愛生”っていうのはどうかな?」
冬哉「愛生?」
「うん!
色んな愛を知って、真っ直ぐ生きて欲しいな
って思ったんだけど。どうかな?」
私がそういうと、彼は優しく笑って、
冬哉「いいんじゃねぇ?
男の子だし。
千奈美がつけたいのでいいと思う。」
「え⁉︎いっしょに考えないの?」
冬哉「今のでいいじゃん。
俺は、すげ〜いいと思うけど?」
そう言って笑った彼は、もう最高だった。
「///////、、、、、分かった。
じゃ、愛生にする。」
冬哉「ん。」
「ちゃんと、元気で生まれて来てね、愛生」
たくさんの想いを込め、私は愛生に話しかけた。
END