それから1ヶ月がたった。

ーーーピロロン♪

携帯がメールを受信した。

『今日は早く帰れそうだ。
14:30くらいだと思う。

冬哉 』


テスト最終日のため、帰りが早いようだ。

(今は13:40か。
あと50分くらいだ!)

私は、早く帰って来る彼を楽しみに待つ。




1ヶ月前のあの日以来、私が怯えることは少なくなった。

時々あるが、それは仕方がない事だと思う。

体に残った傷と染み付いたモノは、私の過去として、しっかりと存在しているからだ。




連絡という私のために考えられた対策だが、始めの頃は「うっかり忘れた」と言って、連絡が無いまま帰宅した人もいた。

でも、徐々にそれがなくなり、今では帰ろうとする時に自然と携帯を手に取るようになった、と皆言った。

本当にありがたいなと思った。



今では自然と笑いが増えている。

今崎君の家族ともたくさん話せるようになった。

私は、これから先もこんな関係が続いて欲しいと思っている。



傷が残っても、そんなモノ関係ないと言って助けてくれる人が、今の私にはいるんだ。

そう思うと、毎日が辛かった時の私に「未来の私は、すごい幸せだよ‼︎」って声を大にして伝えたいと思った。