(今日は金曜日、か〜

ハァ〜)

と、小さなため息をついた。

なぜなら、




私は今、今崎家に1人でいるからだ。




今崎君のお父さんは、もちろん仕事に行った。

お姉さんはもう社会人なので、働いている。

お兄さんは大学生なので、大学に。

妹さんは中学2年生なので、中学に。

今崎君も、、、もちろん、学校に。

お母さんは、毎日予定が入っているようだ。

仕事やボランティアやお茶会などなど。

今日は仕事のようだが、自分の生活をとても満喫しているようだ。

(すごいな〜)

私からはかけ離れた、全く違う考えを持っているからこそだと思い、尊敬までしてしまう
のだ。



つまり、学校を辞めた私にとって、今の状態の平日が1番辛く、寂しい時間だ。

そして、何より、とても怖い時間だ。

周りに人がいるとわかっていれば、何も感じないが、こうした小さな空間に1人でいると怖くなる。

原因は、恐らく父親だろう。

父親は、家に帰って来るときも、部屋に押し入って来るときも、いつも急だった。

だから、来ないとわかっていても、もう大丈夫だとわかっていても、つい身を構えてしまう。

この家に来てから、何度かそうなっているが、今崎君にも今崎の家族にもまだ話していない。

(これ以上の迷惑なんてかけられないよ、、、
。)


私は、誰かが早く帰って来てくれるように、と自分の指と指を絡ませて願ってしまう。