昼食を終えて(飲むだけだが)、教室に戻るために歩き出す。

すると、廊下に彼がいた。

こっちに向かって、歩いてきている。

もう直ぐですれ違う。

(挨拶くらいは、した方がいい、よね?)

そう思い、心の準備をする。

そして、彼が目の前に来た。


「あ、のッ、、、こんに」



ーーースッ



(ーーーーえ?)



彼は、私に気づいたはず、、、

なのに、彼は、私の横を何も言わずに通り過ぎて行った。

彼は、私を無視した。


(ーーーーー何で?)







それから、何日も経った。

それでも、彼は、私に近づこうとはしなかった。



でも、

一度だけ、

たった一度だけ、私から彼に話しかけたことがある。

彼の教室に行くと、教室から出ようとする彼がいた。

そんな彼を止める様に、教室の出入り口を塞ぐ感じで、彼の前に立った。

「あのっ、、少し話があるんだけど、、、。
時間、、、もらえな「邪魔」


(ーーーッ⁉︎)


私としては、かなり頑張った方だった。

なのに、

相手にすら、してもらえなかった。

(もう、わからないよ、、、。
彼は何がしたかったんだろう、、、。)

ついこの前まで、短い期間であれ程話しかけてきた彼は私と関わる事を拒んだ。

『できることがあるなら、言って欲しい』

あの言葉は、嘘だったんだ。

私は、当たり前だ、弄ばれたんだ、と思う反面、自分ではよくわからないような悲しみを感じていた。