モモが隣り合ってる側……右腕に両手を重ねた。


知らず知らずに俯いていたことに気がつく。


顔をあげると、心配そうな顔とぶつかった。


その視線が、今は痛い。


彼女は言葉にはしないけど『大丈夫?』と聞かれてる。


……たまらなくかっこ悪い気がした。


「……わり、平気。

ん、二人がな。

振り返ったんだよ、俺の方を」


夢だから……自分の希望が反映されたんだろうけど、そう言葉を足しておいた。


「顔はよく見えなかったってーか……なんでだかあんまり覚えてねえんだけど。

笑ってくれてたってことはしっかり覚えてる。

で、手ぇふってくれた、大きくさ。

……そこで目ぇ覚めたんだ。

嬉しかったんだか、逝かないでほしいってんだか、そういうの考えてる暇なかった。

起きたら起きたでリンが泣いてたからさ……」


……後でケイゾウに聞いた話だけど。


ここら辺までは、城の皆に見事に筒抜けだったらしい。


アカネはこの辺りで例の盗聴器の電源を落としてしまったとか。


全く……ウーさんの手回しには、つくづく恐れ入る。