私は屋上へ向かった。



屋上には誰もいない。



風が気持ちよかった。それが私を少し変えてしまう始まりでもあったのかもしれないと、今では思う。



私はこの誰もいない屋上で演技がしたいと思った。



教室を出てきた時に持ってきた本のセリフを私は声に出した。



「私はアルバリーナ王国次期女王、ターシャ・アルディーニ。」



「私はこの国を守るため正義の剣を振り、この国を守り抜く!」



「この生命に変えても私は正義を貫く。私とついて行くものは正義の剣を抜きこの地に捧げろ!!」



この時、屋上のドアから理駆が出てきた。



(貴方、どうしてここに…)



理駆は跪き、



「女王!ターシャ・アルディーニに告ぐ。煌月理駆は私の命がつきるまであなたの元、正義の剣をこの地に捧げる事を誓う!」



私はこの瞬間あの人の周りに圧倒的な力があることを悟った。



「どうして貴方がここに…」



「菫を探してたんだ。」



「どうして?」



「決まってんじゃん!菫と仲良くなりたいから!」



「ば、ばっかじゃないの?!私なんかと仲良くしたっていい事なんて何も…」


「菫はいい事がある無いで友達を決める?」



「少なくとも私は傷つくくらいなら一人でいるわ。」



「俺は違う。一緒にいたい。仲良くなりたいって思ったらその人と友達になりたい。」


「それに俺は菫が傷つくことが怖いと言うのなら俺が友達になって君を支える。君の力になる!だから改めて言う。」


「俺と、友達になりませんか?」


私はこんな事を言ってくれる人は初めてでどうしていいのか分からなかったので、



「い、一週間。」



「え?」


「明日から一週間以内に私が貴方と一緒にいてもいいって思わせたらと、友達になってあげるわ!」



理駆はにこっと笑った。


「分かった。……ぜってー友達になってやる!」



「なれるといいわね。」



「おう!望むところだ!」



私はこんな思いは初めてだ。