「かーずは〜!!」


学校に向かう坂道の途中、遠くから私を呼ぶのは…、

友兄。


周りの登校途中の生徒たちが、一斉に私を見る。


特に、女子からの視線が、刺さるみたいで痛い…。


「お願いだから、遠くから叫ぶのはやめて!」


そうじゃなくたって、友兄は目立つのだから。


「なんで?かわいい妹を見つけたんだから、当然だろ?」


悪びれず言う姿が、憎たらしい。


友兄は、わかっているのだろうか…。


自分の言葉が、行動が、どんなに周りに注目をあびるのか、ということを。