食べて後片づけして、竣くんが夏のボーナスで買ったソファーに並んで座ると、竣くんは私を抱き寄せてくれる。


普段はそのまま、ベッドに連れていかれることが多いけど、今日は先に聞かなきゃいけないことがあった。


「竣くん、あのね、つきあってから1年くらい、だよね?


ごめんね、私、正確な日付を覚えてなくて、お祝いしないとだよね?」


「覚えてないのかよ美春、ひどいな」


「・・・ごめんなさい」


うつむいた私のほっぺたを、ムニッと突っつかれた。


思わず、顔をあげてしまった。


「美春は、俺の誕生日も知らなかったんだし、何もしなくていいんじゃねーの?


そりゃあ、お互いの誕生日は祝いたいけどさ、記念日とかは別によくない?」


「そっか、よかった・・・


あっ、もしかして、竣くんは覚えてたりして?」


「覚えてるよ、9月9日。


覚えるつもりはなかったけど、わかりやすかったからさ」