「美春、こんなに早く役目がまわってくるなんて、予想外なんだけど」


「そうだよね、私も驚いてる」


「でも、役得だな」


「どうして?」


「だってさ、五十嵐さんより先に美春のドレス姿を見られただろ」


「竣くんも、そこを一番気にしてたよ」


「だろうな、よく許してくれたと思うよ」


「私がカズにお世話になったのは事実だから、感謝してるんだって」


「五十嵐さんは、心が広いんだな。


俺なら絶対に無理だ、新婦が元カレとバージンロード歩くなんてさ」


「そこが、竣くんのすごいところなの」


「はいはい、ごちそうさん」


私の隣には、ビシッとスーツを着こなしたカズが立っている。


純白のドレスを着た私に、


「美春、キレイだよ」


カズがほめてくれた。



オムライスでプロポーズの返事をしてから、約1年。


ジューンブライドの6月に、竣くんと私はレストランウェディングを挙げることにした。