桜の季節、またふたりで

「おはよう美春」


「あっ、美海ちゃんおはよう」


「ちょっと美春、なんか顔色悪くない?」


「うーん、ちょっと寝不足で」


日曜日、カズに伝えることを考えてたら、眠れなくなっちゃったんだよね。


「せっかくのかわいい顔が台無しだよ」


エレベーターを待っていると、背後から誰か近づいてきた。


「おはよー」


「啓太おはよ、ねえ、美春の顔色悪いと思わない?」


「そうだな」


「二人とも大丈夫だよ、気にしないで」


「今日さ、お昼3人で食べようよ」


「おっ、いいなそれ、賛成」


「じゃあ、12時にロビーに集合ね」


「オッケー」


「わかった」


じゃあお昼ね、と私だけ先にエレベーターを降りた。


二人がいる花形部署は、2フロア上なんだよね。


おはようございます、と編集部に入り、音田チーフをつかまえてレポートを手渡した。


「おっ、ちゃんと書いてきたな。


どれどれ・・・ペーパードライバーぶりが発揮されてるな」