【紫・長編】華押(hana oshi)

カモミールの温かさがマグカップ越しに伝わる。花も食べてみようと想う夏冬に春秋が謝った。「アイドルなんかに夏冬の失恋を任せて」すみません。でも『仕事に熱心』な夏冬を見ていると、つい役にたちたくって、浅はかな提案をしてしまいましたと。もう『苦しい』想いをする、夏冬の真面目な仕事の意欲に、春秋は反省した。「こんなことなら」亡くなったお父さんって提案してあげれば良かったですね。と、夏冬の頭をくしゃりと撫でた。特別な優しい顔をされた夏冬は何時は見慣れないその表情に『どきり』とした。夏冬とは違い正統派イケメンの春秋に尊敬や敬愛以外の気持ちが湧くなんてと、夏冬は『緩い状態』になっている自分を恥じた。ヒロシには大切な存在が居て、それを夏冬を含む悪者から守っている。そんな夢が正夢だったりするからって。