泣けた。居酒屋で、ログは持っていた小銭をはたいて、度数の高いアルコールを頼んだ。後をついてきた女案内人が同じものを頼むと隣のカウンター席に座った。二人とも気まずいのか顔を合わせないで、ちびちびと高い度数のアルコールを飲んだ。彼女は執務に支障をきたすと想ったから、半分以上も残した。ログは、いいようにヘベレケになっていたので、彼の水筒に彼女は残りの酒を入れてあたえた。夢なら覚めるけれど、仕事の相手だから一緒に旅に出かける事になる。一緒に寝起きをする事が出来るだろうか?この失恋は。
「あー。もー」とログが呻く。彼女はログに同情した。少し共感もした。女案内人も依頼主に心が惹かれていたからだ。でも彼女は、仕事が出来る程度の想いであり、ログの苦しみはわからないまま、同情するしかなかった。