朝、ログはギルドのユースホステルみたいな安宿で、目覚める。何時も通りの朝だった。僅かにお香かコロンの香りがするくらいで、何時もとかわりがない、普通の朝だった。ログは「夢を見ていたっけ?」と声に出して呟いてみた。今は夢ではないらしい。ほっぺたをつねると痛みとすぐ消えるだろう?赤い痕になった。夢だ夢。ログが、美しい人に、頼りにされたのは、この街ではなく、ログのしらない街だったからだ。「にしても」美しかったなと心の保養に、良い気持ちをした。2階ベットで寝ている住人を起こさない様に気をつけて、ログは建物の外に出た。清清しい空気だ。部屋にたむろしていた貴人がつけるだろう香りなんか全然しなかった。「あれっ」とログは思った。場所は別でも、昨夜のことは本当のこと?

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