【紫・長編】華押(hana oshi)

ログは夢を見ていた。
砂漠の何処かの街の中で、
美しい女性が黒い布を頭からすっぽり被っていた。「助けてもらおうと想って」と、ログを役にたつ男性として意識している。ソレだけで、良い気持ちになるログ。一家に一台みたいな「便利屋」業で、カツカツに食えているログはドラゴンの出現を待つ街のマスコット化しているから。そうとう嬉しかったのだろう。ログに騙されてはいけないという知恵が働かなかった。フードをぱさりと落としたら、薄くて柔らかな髪の綺麗な女性の出来上がりで。
「ドラゴンを探しています」どうか力になってください。と、美しい声で優しく頼まれた。「この辺りには火を司るドラゴンがいると思われているよ」と、知ってる事は何でも話すつもりのログは、そんな夢を見ていた。