美音は『……ごめん』と言うと、袖を掴んでいた手から力を抜いた。 ……わかるよ。 美音の気持ちも、痛いほどわかんだけどさ…。 俺たちのわがままで、幸せになれるはずのふたりを邪魔するのは 間違ってると思う。 ビニール袋をブンブン振り回しながら、適当に廊下を歩く。 真白たちがいるし、教室には戻りづらい。 どこで昼飯食おっかな、と考えていると。 「あ! 悠里~」 向かいから、俺の彼女であるマミが走ってきた。