「お前こそ、
いつまでズルいことする気だよ」




美音の目の前に立って、うつむいた彼女を睨むように見下ろした。




「凛のことも、真白のことも傷付けてるって
自覚くらいあるだろ?」



「……」



「今回、ケンカでもしたわけ?
これを機にふたりから離れたらいーんじゃねーの」




じゃあな、とその場から去ろうとすると



美音が俺の制服の袖を引っ張った。




「……なに」



「……あたしが主人公になっちゃ、いけないのかな…?」



「……なれねーだろ。
俺も、お前も」