「真白くんは、
悠里くんのこと嫌いじゃないよね?」
真白くんは卵焼きを箸で掴んで、口に運ぼうとしていたけど
私の後ろを見ながら、卵焼きをお弁当箱に戻した。
「悠里」
真白くんが呟くから、私も後ろを振り返る。
するとそこには、パンが入ったビニール袋と紙コップを持っている悠里くんがいた。
「そこ、俺の席」
「あぁ、邪魔だった?ごめん」
「まぁいいけど。
どうせここで食わねーし」
悠里くんは机に携帯を忘れてたみたいで、携帯を取るとそれをポケットに入れた。
「凛、さっきの」
「え?」
「悠里のこと、嫌いじゃないけど、
昔からすげー嫉妬してる」
真白くんがそう言うと、
教室を出ようとしていた悠里くんが足を止めた。