矢代くんの本気の恋





……あれ?



でも昨日は、途中で歩いてるのを見たような…?




「昨日の朝は、自転車じゃなかったよね?」



「あ、あー…
昨日は……」




あんまり話したくないのか、悠里くんは目線をフッとそらした。



その表情から、なんとなく想像がつく。



昨日、私があの彼女の下着を見つけた時と同じ顔。



ってことは



彼女関係……?



彼女の家に泊まった…とか?




「……なんとなくわかったよ」



「一昨日の夜、急に呼び出されたんだよ。
親が仕事でいなくて寂しいとか言われてさ」



「……そうなんだ」



「ちょっとしたら帰るつもりだったんだけど
結局朝までになっちまって…」



「いいよ、そういうの。
聞きたくないし」




気付いたら悠里くんの言葉を遮って、そう言っていた。



自分でも驚くほど、冷たい声が出た。