矢代くんの本気の恋




「かーのじょ♪」



「……?」




気付くと目の前に、学ランを着て赤い髪をした男の子が立っていた。




「およ、ちょっと泣きそう?
なんかあった系?」



「えっ…いや、大丈夫です」



「じゃーなぁんでそんな顔してるの?」




なんで私、絡まれてるんだろ。



……あ、そういえば



悠里くんが、この辺他校生多いって言ってた…。




「ねぇねぇ」




しつこく話しかけてきて、どうやって逃げようか考えていると。




「ハイハイごめんね。
この子俺の友達だから」



「うぉっ!
悠里さんの友達だったんすか!」




ちょっと息を切らした悠里くんが、私を庇うように男の子の前に立った。




「ごめん、
ちょっとこの子借りるね」



「どうぞどうぞ!」




赤い髪の男の子は悠里くんと知り合いなのか、



悠里くんには逆らわず、コンビニの駐車場にいた友達のもとへ戻っていった。