「今日のお礼に、ドーナツを買ったの。
ほんとは家まで行くつもりでいたけど、
途中で会えてよかった」
ドーナツの袋を突き出すと、悠里くんは目を丸くした。
……やっぱり、迷惑だった?
様子をうかがってると、はぁ、とため息をつかれた。
「家まで来る気でいたのかよ。
ストーカー?」
「あっ…ごめんなさい」
悠里くんはクスクスと笑って、ドーナツの袋を受け取ってくれた。
けど、その言葉は私にはダメージだった。
そうだ私、
お礼って称しても……悠里くんからすれば、やってることかなり怖い…よね。
心の中でもう一度『ごめんなさい』と謝って、顔をうつむかせた。
「こっちの方面、他校生の通りも多いし、
一人で来たら、変なやつに絡まれるぞ」
「……え?」
「俺んちまで行く予定だったんだよな?
来る?」
「えっ??」
あれ?
話が思わぬ方向に…。