矢代くんの本気の恋




あれ…今、え?



一瞬、頭が真っ白になって、なにが起きてるのかわからなかったけれど



目の前で微笑んでいる悠里くんをハッキリ視界にとらえると、さっきの悲鳴や歓声も大きく聞こえてきて、



まるで夢から現実に戻ってきたような感覚だった。




「俺の好きな子は、昔から、
ここにいる、吉川凛さんだから。

凛に対して遊びだなんて、勝手に決めつけないで」




マミさんに向き合って、悠里くんが強く、そう言った。




「……なんでよ…。
あたしだって、ほんとに、本気で悠里が好きなのに…!」



「……ごめん。本当にごめん。
でも、好きになれたらいいなって思ってたよ。
今更、言い訳でしかないけど…」



「……っ」



「こんな俺を好きになってくれて、ありがとう」




マミさんは泣きながら、



教室には入らずに、友達に支えられてどこかへ歩いていった。



それとともに、ギャラリーのみんなも教室に戻っていき、



静まり返った廊下に、私と悠里くんだけが残されていた。