矢代くんの本気の恋




ぎゅ、と抱きしめる腕の力を強めると、



辺りが静まり返った。




「凛」




おかげで、やけに鮮明に悠里くんの声が聞こえて。



悠里くんが私から少し距離をとった、その瞬間。



ちゅっ、という軽いリップ音とともに、唇に柔らかいものがあたった。




『ぎゃあーーーーー!!!!』
『うぉおーーーー!!』



女の子たちの悲鳴と、男の子たちの歓声が、やけに遠く聞こえた気がした。