「…っえ!?」



マミさんが私に気付いて近づいて来た。



え、なんで、私?



頭の上にたくさんハテナを浮かべていたら、



マミさんがガバッと頭を下げた。




「ごめんなさい!」



「……え?」




なぜ、私が謝られてるの…?




「悠里は、女に執着するような奴じゃないことはわかってたのに、
未練がましく追いかけてごめんなさい」



「あ……」




昨日の帰りのことかな…。




「悠里って、来るもの拒まず、去る者追わずって奴で、
別れた時点で、悠里の中ではもう終わってることだし、
もう次の彼女がいるのに未練があるように見せるのは、悠里が一番嫌がることだった…。
だから、昨日のことは忘れて?
吉川さんも、そういうの割り切って付き合ってるなら、わかるよね?」



「割り切ってる…って?」



「だから、悠里と別れたら、
追いかけちゃいけないってこと。
過去の彼女たちの、暗黙の了解ってやつだよ」