「痛がってるように聞こえないよ?」



「…うん。
痛いけど、なんか嬉しくて」



「……悠里くん、へんた…」



「違うそうじゃなくて」




私の言おうとしたことを先に読んでいたのか、私の言葉を遮って否定する。




「現実って言われてるみたいというか……。
ほんとは昨日からずっと、夢見てるんじゃないかと、思ってたから…。
今、手握ってんのも、
現実かーって思うだけで
実は心臓バックバクなんだよ」



「悠里くん、女の子慣れしてるのにかわいいね」



「こうなるのは凛だけだって言ってるだろ。
それに、かわいいはやめろよな」