矢代くんの本気の恋




廊下で友達と話していたみんなが教室へ移動し始めた。



その時、悠里くんも教室に入ってきた。




「はーーー疲れた」



「悠里今日おせーじゃん!
遅刻ギリギリ!」



「寝坊した」




急いで来たみたいで、悠里くんの額には汗が滲んでる。



隣の席の村川くんと話しながらパタパタとシャツを揺らした。



その時チラッと、



鎖骨の少し下あたりに絆創膏が貼られてるのに気がついた。



……怪我、してるのかな?




「おはよ」




ぼーっと2人の会話を眺めてると、悠里くんが私の方を見て言った。




「あっ、お、おはよう!
寝坊なんて珍しいね…!」



「夜中蚊に起こされた。
しばらく格闘してたら目が覚めちゃって、
寝つくのに時間かかっちゃって」



「そうなんだ…!
体調悪いのかなって心配してた…」



「へーき。
蚊に体調崩されてたまるかよ」




ニッと歯を見せて笑う悠里くんは、いつも通りだ。



気まずくないように、してくれてるのかな。