矢代くんの本気の恋







「あれ、悠里くん?」



「ん?」



「校門、あっちだよ?」




悠里くんの後をついていくと、自転車置き場に来た。




「俺自転車ー」



「あ、そっか。
私は電車だからここでお別れだね」



「ちーがーう。
ここ」




カバンを返してもらおうと、少し近付いた私に向けて、



悠里くんは自分の自転車の荷台をポンポンと叩いた。




「え?」



「凛は俺の後ろに乗るの」



「え…そんな、悪いよ…
重いし、大変だよ?」




悠里くんに大変な思いはさせたくないな…。




「私は一人で電車で帰れるし、そこまでして送ってくれなくても…」



「嫌なら、自分からこんなこと言わない。
俺がしたいから言ってる。
それじゃダメ?」



「ダメじゃ…ないけど…」



「凛がどうしても自転車に乗るのが嫌なら、無理にとは言わないけど」




これだと、私が悠里くんと一緒に帰るのを嫌がってるみたいに聞こえる?



私はただ、悠里くんに迷惑かけたくないだけなんだけど…。




「一緒に電車で帰るか?」



「えっ、でも悠里くん切符買わないといけないよね?」



「そんくらいは別に平気だけど」



「だめだめ!
そんなので迷惑かけたくないもん…」



「じゃあ自転車乗ってよ」



「う……わかった」