矢代くんの本気の恋




持ってきたタオルを私の頭に乗せて、



真白くんは優しく私の頭を拭いた。



……真白くんは



本当に、優しいお兄ちゃんみたいだ。




「真白くん、もういいよ~!
掃除戻ろう?」



「掃除なんてほとんど終わってたし、大丈夫。
ほら、まだ濡れてる」



「もう大丈夫だよ~!」




真白くんがずっと私の頭から手を離さないから、身動き取れず、



されるがままになっていると。




「悠里~!カラオケ行こ!」



「あー…」




女の子に囲まれた悠里くんが、教室から出ていくのが見えて、



「あっ」と思わず声をあげると、悠里くんが一瞬こっちを見た。



目が合った、と思った瞬間。



悠里くんはフッと視線をそらして。




「いいよ。
カラオケ行くか」



「やった♪」




女の子たちとともに歩いていった。