「恋をすると、人って変わるもんだな」
「……悠里くんは?」
「へ?」
「今、杉浦さんのこと可愛いって言った…」
じっ、と悠里くんを見ると、
呆れた顔をされた。
「なんで彼氏がいる女好きにならなくちゃなんねーの。
それに杉浦だけはマジでない。ありえねー」
「……ほんとかなぁ」
「ほんとだっつの。
つか、早く帰るぞ。
送ってく」
そう言って悠里くんは私に手を差し出して来た。
「ん?」
「カバン、持ってやるから」
「いいよ、これくらい自分で持てるよ?」
「病人は素直に甘えなさい」
悠里くんは私の手から無理やりカバンを取り上げて、自分の肩にかけてしまった。
……ほんとにそれくらいは大丈夫なのにな。