矢代くんの本気の恋




俺には出来ないこと、自然に出来ちゃうんだからさ。



はぁ、ともう一つ息を吐いて、教室に戻ろうと廊下の角を曲がると



壁に背中をつけて座っている人がいた。




「うわぁ!!」




びっくりして仰け反ると、



「そんなにびっくりすること?」という声が聞こえた。




「あ、美音か……」



「幽霊でもいると思った?」




立ち上がってスカートを軽くはたくと、



腕組んで俺を見た。




「そろそろ、辛気くさい顔して現れると思ってたんだ」



「なんだよ、辛気くさいって」



「……凛に返事、もらったんでしょ?」