『俺は全然凛のことを守れない』
そう言って、真白くんはうつむいてしまった。
「今朝、会うのが気まずくて、避けたせいで
大事な時に傍にいなくて……。
でも、そういう時は決まって、悠里が傍にいる。
悠里は……いつも凛が困ったときに助けてあげられる。
それがすごく羨ましくて……妬ましい」
「いや、ほんと、今回はたまたまで……」
「違うよ。
昔からそうだった」
暗いトーンでそう呟いた真白くんは
ゆっくりと顔をあげ、眉尻を下げた。
「昔から、
いつも悠里が凛を助けてた」
「……そう、だった?」
「そうだよ。
だから凛は、悠里を“騎士”って言ったんでしょ?」