「え……」



「……だからって、もう譲ったりしないけど」




悠里くんの横顔が、さっきのイタズラっぽい顔じゃなくて



真剣な顔つきで、校舎を眺めていた。




「悠里くん…」



「ん?」



「あのね…!」




真白くんとのことが解決したら



悠里くんに言いたいことがあるの。



そう、言おうとしたんだけど。




「……うぅ……」



「……凛?」




頭がクラクラして足がフラついてバランスを崩し、悠里くんにもたれかかってしまった。




「あ……ご、ごめ…」



「大丈夫か?」



「ごめん……
起きたときから、ちょっと頭痛くて……」