悲しそうな声に、思わず悠里くんの顔を凝視すると 悠里くんははぁ、とため息をついた。 「……雑巾濡らしてくるわ」 私に背を向けて、水道のある場所へ歩いていった。 悠里くんの顔は なんだか、少し泣きそうな…… 悲しそうな、表情だった。 「……“悠里くん”って呼んだの、 ダメだったかな……」 無意識に出ちゃわないように、気を付けよう。