「悠里が積極的なら、
あたしも積極的に攻めてみようかな」
「へ？」
「勘違いだったから、
もう避ける必要もないしさ」
ふふ、と笑って、美音はまた１つたこ焼きを頬張った。
……あ、そうだ。
「あのさ、美音……」
「ん？」
「悠里くんが女の子と付き合い始めたのって…
私たちから離れてからだよね？」
「そうね」
「もしその……勘違いがなくて、
悠里くんが離れることがなかったら…
女の子と付き合ったりとか、しなかったのかなって…」
「……あー、かもね」
美音がなにかを察したような顔をする。
そして「そっちかー」と小さく呟いた。
「美音？」
「悠里だけおいしい思い出来んじゃん。
ちぇっ、なんだよー！」
よくわからないけど、美音はプンプン怒りながら
たこ焼きをバクバク食べていった。
