笑顔でそう言うと、 美音はつらそうな顔をした。 「……叶わないんだけど、ね」 「そんなネガティブなの、美音らしくないね」 「はぁー? 凛のくせに生意気なんですけど」 つらそうな顔から、笑顔に変わって、 私が被っている帽子を取り上げた。 「凛、 こういう帽子被るんだ?」 「あ、ううん。 それ、悠里くんに被せられて」 「悠里が?」 アイツ遠慮する気ないくらい積極的じゃない?と美音が言う。 なにが積極的? よくわかんないや。