「……美音!」 橋をおりて、美音のもとへ走った。 美音は驚いた顔をすると ベンチから立ち上がり、私に背を向けてどこかに行こうとしてしまう。 「……あっ、待って美音!」 追いかけようとすると、美音が振り返った。 「すぐ戻るから、ベンチに座って待ってて」 それだけ言うと、美音は走ってどこかに行ってしまった。 ……すぐ戻るって。 もしかしたら、私を避けるための嘘かもしれないけど、 私は美音が戻ってくると信じてベンチに座った。