矢代くんの本気の恋







バスに揺られて一時間くらい。



私たちが乗ったバスはサービスエリアで止まった。




「あぁ、わたしちょっと酔ったかも…
外の空気吸ってくるね」




そう言った杉浦さんは席を立ち、バスをおりた。



……私は、ちょっと眠い。



美音や真白くんの前では平気で寝ちゃうんだけど、杉浦さんの前では眠れない…。



杉浦さんが悪いわけじゃないんだけどね…。



ふぁ~…と欠伸をすると、後ろからドンッと座席を叩かれた。




「でっけー欠伸してんねー」



「悠里くん!」




叩いたのは悠里くんらしく、



悠里くんもバスをおりるのかな、と思ったけど



おりるどころか、通路側に座っていた私の前を通って、
私の隣に座った。