悠里くんはバスの一番後ろの真ん中に座って、タオルで顔を隠して寝ている。



その隣には女の子たちが座っていた。




「悠里~
ポッキー食べる?」



「うるせぇ……寝るから静かにして」




眠いからなのか、かなり機嫌が悪そう。



さっきのは、具合悪いわけじゃなくて、眠たかっただけかな…?




「吉川さん、ここ」




席を探していると、



ちょうど真ん中くらいの席で、杉浦さんが隣を指してそう言ってくれた。




「私が隣でいいの?」



「なんで?」



「浜崎くんはいいのかなって…」



「いいのいいの。
矢代くんに無視された女の子たちからお菓子を貰う役目があるから」




杉浦さんに言われ、後ろの席を見ると



言った通り、浜崎くんが女の子からお菓子をもらっていた。