矢代くんの本気の恋




「いてっ」



「はぅ~…ごめんなさい…」




額をおさえてもう一度謝ると



男の子が『だ、大丈夫!』と手を振った。




「吉川さん、あのさ、
よかったら、その…連絡先を」



「おいおい。
どさくさに紛れてナンパすんなよなー」




男の子がスマホを取り出すと



男の子に誰かがのしかかった。




「ゆ、悠里!」



「吉川ちゃん困ってるから。
C組行くんだろ?ほら、早く行きな」




悠里くんがクイッと顎で廊下を指す。



……助けてくれた?



あの、悠里くんが…。




「あ……っ
ありがとう!」




“吉川ちゃん”



やっぱりもう、私のことなんて忘れてるかな。



だけど



変わってしまっても、



悠里くんの声は、安心した。