「仁夜のお陰でもあるのかもな。あいつは真吹に似て無駄にコミュ力高いから」


こみゅりょく?

よく分からない言葉が出たけど、きっと麗歌ちゃんの性格の事を指してるんだよね。

はぁ。それにしても、今日は麗歌ちゃんにはお世話になりっぱなしだったなぁ……

私の手元からカサっと音がする。


「ん?それは菓子パンか?」


時流様が不思議そうに覗き込んできた。

あ、いけない……まだ鞄の中に入れてなくて、手で持ったままだった。


「あ、はい……先程麗歌ちゃんから頂いた物です。けど、開け方や食べ方がいまいち分からなくて……」

「ほら、貸してみろ」


ひったくるように時流様が袋を取った。


「ここをこうつまんで、同時に外側へ引っ張るんだ。それでも開かなかったら、ギザギザの部分を裂くようにすれば開く。試しにやってみろ」


ポイと戻された袋を時流様が教えてくださった通りに開けてみる。

えっと、こことここをつまんで……えいっ。


バリッ