「は、はい!麗歌ちゃん、またね」

「うん。また今度ね~♪」


私もカバンを持ち、時流様の背中を追いかけた。

もしかして、私が起きるまで待っててくださった?

だとしたら、私はご主人様に気を使わせた事になる。

はぁ……使用人になって二日目とはいえ、ここまで無能だなんて。

自分の空っぽさにほとほと呆れる。


「随分長い時間、呑気に昼寝してたな?何か良い夢でも見たのか?」

「え、あ、いえ、えと、す、すみません……!」


ああ~、やってしまった……

怒られちゃうかな……


「ふふっ、それだけ慌てられるなら、俺としては嬉しいぞ」

「え?」

「最初と比べると、随分表情豊かになっただろ。自分で分からないか?」


そうかな……

でも、短期間でいろんな事があったから、たくさんの事を知れた。

使用人として、ボディガードとしてだったらまだまだだけど、もしかしたら私は人として飛躍的な成長が出来てるのかもしれない。