どうしてこの人は、こんな事を言っておいてなお笑顔でいられるのか。


「でも……」

「嫌なのですか?出来ませんか?でしたら、授業はここまでとなります」

「や、やります!やりますよ……!」

「ふふ、mon propre……いい子、ですね」


先生は私の頭を一撫ですると、私の小指に自分の小指を絡めた。


「では私とあなたで契を結びましょう♪carré du petit doigt(指切りげんまん)~……♪」















「……ちゃん……小紺ちゃん?」

「……麗歌ちゃん?」

「どしたの?なんか、泣きながら寝てたけど……悪い夢でも見た?」

「あ……」


気がつくと、頬に涙が伝っていた。

悪い夢……ではない。