「すっごーい！あ、でも、座った時とか脚に当たって痛くならない？」
呑気な上好奇心旺盛に、仁夜が目を輝かせる。
ふわりとスカートを元の状態に戻し、仁夜に微笑んだ。
「いいえ、真吹さんが……なんだっけ、『ぱにえ』？という物を貸してくださったので、痛くはありませんよ。ご心配ありがとうございます、仁夜さん」
「苗字呼びヤダ！麗歌って呼んでよ！」
子供のように頬を膨らませる仁夜。
なんだか真吹を思い出す。
「で、では……麗歌様？」
「様はいらない！」
「……麗歌さん、でどうでしょう」
「もっと砕けた感じが良いな～？」
「え、えっと……れ、麗歌……ちゃん？」
「ごーかく！」
嬉しそうにグッと親指を立てる仁夜に対し、初めて友達が出来た上にちゃん付けで呼ぶのが気恥ずかしいのか、市木は顔を赤くする。
そしてその市木の背中をバシバシ叩きながら笑う仁夜。
やっぱり仲良くなれそうだな。
「あ、坊っちゃまー！私小紺ちゃんと友達になったわけだから、友達特権で遊びに行っても良い？」
