そ、それなら良かった。

助かったけど……

不安しかないんですけど!!







「い、……市木 小紺、です。よろしくお願いします」


『ちょーく』って言うらしい白くて短い棒みたいなのを『こくばん』に擦り付けるようにして、私は自分の名前を書いた。

ぺこりと軽く会釈すれば大丈夫って蝶野さん言ってたけど、こんな感じで大丈夫なのかな……

学校なんて通った事ないから、全然分かんないんだけど……

というか、私そもそも学力とか備わってないし、勉強とかクラスとか知らない……

同じ制服を着た人達がたくさん、私の方を見てる……


「え、可愛いー!♡」

「使用人にしちゃ顔整いすぎじゃね?」

「モデルとか出来そうなのにもったいなーい!」


も、もでる?

分かんないけど、これは、褒められられてるのかな?

えへ、ちょっと嬉しい、かな。