ぶんぶんと頭を振って、邪念を追い払った。


「すみません、今参ります、時流様!」


私は、時流様のお側で仕事が出来ればそれで良い。

それ以上望んじゃダメ。

呪文のように頭の中で繰り返しながら、私は時流様の元へ走って行った。











「俺のクラス、何組だったっけか……」

「K組ですよ、時流様」

「おう、蝶野。ありがとな」

「いいえ。ですが、自分のクラスくらい覚えて頂かないと……」

「仕方ないだろ。久々に行くんだから」


時流様と蝶野さんが地図片手に迷いながら歩く。

私はその後ろを、ルートを覚えながら歩いていた。

ちなみに真吹さんは、時流様へ届いた貢ぎ物のお片付けをする為、一回車で唐沢邸に戻ってる。